電子の部屋
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「FET(電界降下型トランジスタ)」


FETとは「電界降下型トランジスタ」の事です。
学問的なことはここまでです。

では使い方。
まずはN型FETを用い、ローサイドの負荷を動かす回路です。

SWをON(つなげる)とFETのG(ゲート)-S(ソース)間に電位差が発生し、
ドレイン電流が流れ、負荷R2にも電流が流れます。
ここで、FETの特徴。直流動作では、G(ゲート)には電流が流れません。
つまり、TR(トランジスタ)と違い、ベース電流のように制御に電流がいりません。

同じように、P型FETを用い、ハイサイドの負荷を動かす回路です。

SWをON(つなげる)とFETのG(ゲート)-S(ソース)間に電位差が発生し、
ドレイン電流が流れ、負荷R2にも電流が流れます。
N型FETと同じように、ゲートから電流は流れません。よって、制御に電流がいりません。

以上より、トランジスタより省電力で制御ができます。
また、ON抵抗(ドレイン−ソース間の電流)が小さいと、大電流を流しても発熱が小さくてすみます(これもロスが少なくなるので省電力)。

注意点は
?ゲート-ソース間電圧
?ソースードレイン間(N型MOSFET)の寄生ダイオード
 ドレイン−ソース間(P型MOSFET)の寄生ダイオード
?ゲート電圧の確定
です。(それ以外にも多々あります)

?は意外と耐圧が低い。車などは12Vとあるが、実際のバッテリー電圧は13〜14V。
対して、ゲート-ソース間の耐圧は12V程度。
よって、FETが破損し、常に同通状態になったりします。
?は意識して設計しないと電流の「逆流」も十分にあります。
 また、大きな電流が「逆流」すると破損につながります。
?今回の参考回路図はゲート−ソース間に抵抗を入れてありますが、
これがなく、ゲートが開放状態(何もつながっていない状態)では、ゲート電圧が不安定になり、
意図しないときにFETがONするときがあります。

次回は高周波で使用時の注意点です。